源氏物語 (1) (小学館文庫) |
私がはじめて読んだ源氏物語の劇画である。登場する女君達はステレオタイプな解釈ではなく、独自の視点で捉えられており、全体に女の感情を色濃く絡めてある。細かな部分に平安の情緒と古きよき劇画の風情がほどよく漂い懐かしい感じもする。作者とお話した機会に六条御息所がチャーミングで好きだと仰っていらっしゃいましたので、確かにどの加工作品より好意的に描かれている。 |
源氏物語 (5) (小学館文庫) |
光源氏は須磨・明石の流離の日々が終わり都にもどった。再び輝かしい道は開けていたが、騒動は起こる。大堰(嵐山)に連れてきている明石方から姫君を引き離し、二条院本邸の本妻紫上に引き取らせ養わせる。お互いにこの方が将来の幸せのためになると納得させようとする源氏に対して、運命に弄ばれる女たちを愛おしむように描いている。悩み多き女たちの心の襞まで伝わってくる線描に魅せられる(雅) |