チェ・ゲバラ 人々のために [DVD] |
革命家というと、普通はその人物の成し遂げた業績によって評価されるものですが、このゲバラという人物は業績だけでなく、その人柄で人々の信望を集めている極めて稀な例だと思います。今もなお、追悼式典には人々が進んで足を運び、彼を知るかつての同胞は皆その人物を褒め称える。 普通に考えればあまりにも話しが英雄的でよくできているので勘繰りたくなってしまいますが、この映画の中に何度も挿入されるゲバラの写真を見ると、その眼差しには伝説は嘘ではないということを証明するような確かな説得力が宿っています。 もちろん、ゲバラの考え方や行動に賛同するかしないかは全くの別問題ですが、あのジョン・レノンをして「カッコイイ」と言わしめた人物の記録を見ておくことは決して無駄ではないと思います。 ところで、ちょっと蛇足になりますが、このDVDは回想シーンなどで多用される白黒写真の上に字幕をかさねているので、全体的に字幕ががものすごく見づらいです。その点だけがちょっと不満ですね。 |
チェ・ゲバラ・レジェンドDVD-BOX |
「革命のカリスマ」チェ・ゲバラの名は以前から知っていましたが、キューバ革命でカストロの盟友であったことと、その後も各地で革命闘争を指揮したことぐらいしか知りませんでした。
このDVD−BOXの2作品を観て、その人が少しわかったように思います。 興味ある人にはお勧めです。 |
フィデル・カストロ×キューバ革命 [DVD] |
これまでもキューバ革命を中心にカストロ議長のドキュメンタリーは製作されているが、今作はその中でも上出来でしょう。カストロ議長やチェ・ゲバラはもちろん、キューバに興味をお持ちの方は是非ご覧になることを強くお薦めします。
社会主義や革命を肯定するつもりは全くないが、カストロ議長はアメリカが考えているほどの危険な人物ではなく、むしろキューバ国民や巨大資本主義国である大国アメリカに抵抗できない中南米諸国の代表となってアメリカに対抗してきた。旧ソ連や中国とは思想そのものは異なると私は理解する。 アメリカ主導の世界経済が長く続いている今日、アメリカが全て正しいと解釈すること事態が脅威であり、それに抵抗することは自然なことでしょう。 世界中がテロの脅威にさらされている現在において、テロリストと革命家の違いを十分に理解し、これまでキューバが歩んできた道が決して間違いでないことを信じることが重要となることがわかる。 |
チェ・ゲバラ伝 |
私にとってチェ・ケバラは名前も知らない人でした。
ちなみに30代です。年上の夫に、私の読んでいる本を見て チェ・ケバラを知らない日本人なんかいるのか!!と言われ ややむかつきながら、読みました。 初めて読んだチェの本としてはよかったですが、そんなに英雄なのかな?? まあ、知識として知っておく、肯定的で正しい知識を持つと言う意味では 有益でした。でも・・・今のアンダー40の人達ってあんまり知らないと思うよ だから、そういう人は、おじ様たちに馬鹿にされないように読んでおくべきかな?? |
革命戦争回顧録 (中公文庫) |
期待をこめて読んだものの、最初はインテリマッチョなゲバラ像を想像していたのでがっかりした。しかし時間がたつにつれ、自分の抱いていたゲバラ像は、ハリウッド映画の描く色々なヒーロー像に固定されていたことに気がついた。様々な戦いを経ていくうちに残念ながら、ヒーローは想像とはかけ離れるとも分かった。ゲバラは実に正直に描いていると思う。歴史に名を残す人の伝では、どうしても隠蔽や「いい人を装う」感覚が漂う。例えば、「彼は周りからは〜と思われていたが、自分は彼の考えを理解できた(してあげた)」という表現だ。「彼」の可笑しさを表すのに、他者のコメントを出しいることが、卑怯な点に気がつかず、私は時間が経っても、「彼」を理解したくなくなる。ところが、ゲバラ氏は本当にピュアだ。だからこそ、有りのままにゲバラ氏のことを捉えないと失礼だという気持ちになる。たまにカストロ像について等、ゲバラ氏は騙されていたのか?と思うところもある。しかし、ピュアな彼ゆえに思い込みや信念が彼なりにあっていいのではないか、と何故か好き嫌いを通り越して思わせてくれる、そんな内容だった。 |
新訳 ゲバラ日記 (中公文庫) |
はっきり言って読みやすくはなかったよ。
やはり日記だから、思いつくままつづっているから、 あれ?こいつ誰だよ?みたいな人がいっぱい出てきたり。 穴倉掘ったり、野営地を行ったりきたりしたり。 いったい何やってんだろう・・・と全貌が見えてこなかったり。 後ろページに地図が載ってることに途中で気づいて 読み直したり、 人物小事典を何度も確認したり。 途中何度も中座しつつ、 それでもなんとか読んだのは、 クスッと笑ってしまうユーモアや 辛口な本音や、弱音、 ゲバラさんの人間性に惹きつけられるものが あるからなのだと思う。 1967年8月31日、ずっと離れ離れだったホアキン隊がボリビア軍の奇襲に合い、全滅する。ラジオからそれらしきニュースを聞くゲバラではあるが、ボリビア軍の嘘ではないかという希望的観測を捨てられない。 9月に入り、急速にゲリラ隊は追い詰められていく。 それでも、重病のモロをかかえたまま、 ゲリラ隊は、歩き続けるのだ。 そして、10月7日。 最後の日記のページ。 月明かりを情緒的に表現する文章に思わず、ぐっときてしまう。 いつも通りのなんてことはない記述なのだけど。 それは、ここまで読み進んできた読者だけが感じられる なんとも言えない感傷なのかもしれない。 |