「始めまして」ひさしです |
「始めまして」、といっても、シングル「俺節/俺の俺節」でデビューしてからこの時すでに5年半あまり。いささか出し遅れの証文めいたタイトルではあるけれども、なにしろ、上記のシングルCDが手に入らない(高値とかではなく、モノ自体がほとんど出てこない)状況が続く中、このアルバムが存在したおかげで、この2曲の音源そのものの入手は、さほど困難というわけではないのだ。まずはこの点に、感謝しておかねばならないだろう。 で、アルバムは、この時点までに発売されていたすべての彼の音源(※)の中から、シングル4枚の8曲(2枚め以降のカップリングは12と2、9と4、1と7。サブちゃんJr.作のポップな12、どうしても「ああ上野駅」にしか聴こえない7に注目?!)、そしてカヴァー4曲(中では5が出色。3は吉幾三作品)、という構成。五木ひろしとしては異色作だった11など、あからさまに五木調で、もうちょっと素直に歌えばもっといいはずなのに……、などとも思ってしまったが、確かに基本的には変なクセのあまりない歌い方をする人で、中音域の明るい響きが、なかなかに魅力的。ハッピー&ブルー加入前、別名で「タイガーマスク」OPとEDを歌っていた森本英世、演歌で一度デビューしている速水けんたろう、一時クールファイブにいた宮内タカユキらのように、アニメソング方面でも活躍できた人、だったのではないか? なお彼は、99年にもシングル「宗谷路/からたちのふるさと」をリリース。その後もブレイク後の氷川きよしをゲストに迎えて(!)コンサートを開くなど、北海道をベースに、しばらくは活動を続けていたようなのだが。 (※クラウンからの複数のオムニバス盤に、「君といつまでも」「お嫁においで」「ぼくの妹に」の“若大将3連コンボ”など、さまざまなカヴァー音源が残されている。) |
俺節 |
「スピリッツ」に連載されていた土田世紀・幻の傑作コミック『俺節』の、同名主題歌。題字を手がけ、劇中にも激似キャラが重要な役柄で登場する(!)サブちゃん=北島三郎が作曲(ペンネーム/原 譲二)・プロデュースを担当(作詩は土田自身)、付き人として彼のもとで修業していた小林ひさしが、『俺節』主人公のコージ同様、この歌でデビュー、ということになった。
一聴してまず驚くのが、その曲調。たとえば、吉田拓郎が自分自身のために書いた楽曲あたりを思わせるもので、同じサブちゃんのペンによる「浪漫―ROMAN」(憲三郎&ジョージ山本)よりも、もっとヤングな感じ(?!)なのだ(アレンジは、浜省はじめ日本のロック、ポップスの各方面でその名が出てくるギタリスト、水谷竜緒[公生])。さすがサブちゃん、かつては大橋純子、もんた&ブラザーズらポップス系のアーティストも自らの事務所に擁していただけのことはある?! そんな曲調が、小林のクセのないストレートな歌唱、そしてコージの不器用な生きざまと見事なシンクロぶりをみせているのが、この名曲「俺節」だ。 一方のカップリング曲にして挿入歌「俺の俺節」は、全面的にコテコテのド演歌で(作詩はいとうせいこう)、小林の歌い方も一転、(やはり作曲の)サブちゃんそのまんまだったりするのだが、それはそれで味、ととるべきか。 なお、このシングル、ジャケットが土田世紀による描きおろしだったこともあってコレクターズ・アイテムとなり、入手はきわめて困難。音源そのものは、複数のオムニバス盤(「俺節」のみ)、および小林の『ファーストアルバム「始めまして」ひさしです』で(こちらには2曲とも収録)聴くことができ、さらに「俺節」は、ジャケットにコージとオキナワがあしらわれた2006年発売のオムニバス『男酒 男泣き』にも収められている。 |
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正直微妙です。窪塚洋介は前よりすごくよかったです。が、話自体がぼんやりとしていていまいち入り込めませんでした。やりたいことはわかるような気がしますが、もう少し人物描写をしっかりしてくれた方がよかったかな。 |
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観おわって一番に思ったのは月ってなんの力で輝いて見えるんだっけか?という小学校の理科かなんかみたいなクエスチョン。ドンは悲しいなって事。人の心ぱかり頭に映しちゃったらほっといたって己は寡黙にならざるを得ないだろう。その役割を背負わされて人より多分早くに大人になっちまって、一体どれほどの思いを抱えさせられてきたんだろうって事。誰が好んで人の心を映し出す鏡になりたいものか。誰が好んで闇にしか輝けぬ月になどなりたいものか。子供時代のドンの目に◎ |