United Flow |
ソウル御宅だぃ集合ってフレーズも気に入った一枚。さっきまで山奥の駅で電車待ちしてた寒さも忘れた一枚です。次ワァー姨捨駅。姨捨駅。 |
シュガー&スパイス 風味絶佳 [DVD] |
10代の恋の傷みって、日本国民ほぼ全員が体感する大事な「思い出」である。そこをテーマに狙うのだったら、よほどの覚悟がないと観客を納得させることはできない。本作は感傷ばかりが表現されている気がして、恋愛の「苦い経験の醍醐味」が不足だったかな、と思う。横田ベースを舞台にしているのに、アメリカ感が夏木マリ以外全く感じられないのもマイナス。チョイ役ではなく、もっとアメリカ人を登場させないと。これなら舞台が静岡でも茨城でも、渋谷でもよくなってしまう。役者陣は夏木マリのダイナミックな演技(地?)に圧倒され、沢尻エリカのキュートさに感心し、柳楽優弥のオクテさに共感し、濱田岳の金髪に驚き、みな見事であった。全編に漂う中途半端さは脚本の力の無さが要因だろう。またせっかく大泉洋という才能を起用しているのに、まったく生かされなかったのも惜しい。せっかくの「Gas Station」所長役なのだから、大泉を軸にすればもっと締まったのに、と思う。ちょっと消化不良の感じで星3つ。 |
放課後の音符(キイノート) (新潮文庫) |
今年33歳を迎える自分が10代前半から今まで折にふれてページをめくった本。
香水、絹のスリップ、シャネルの口紅、ジントニック… ハイ、全部たどりました。 この物語の素敵なところは、大人の女をイメージさせるものが暗号のように散りばめられていて、でもちっとも押しつけがましくないところ。パパのセリフも、大人びた主人公たちもそうだけど、読み手のイマジネーションを心地よく刺激してくれる。 おいしいワインにほろ酔いしながら「大人の女像」をめぐらせるような快感がある。 彼女たちはこんな30代になってるかな、と想像するのも楽しい。 携帯メールやブログが全盛の現代。 誇張や主張で「小悪魔性」をアピールしたがる人は多いけど、醸し出す雰囲気こそが女性の色気(秘すれば花)だということを気づかせてくれるはず。 |
ぼくは勉強ができない (新潮文庫) |
この作品は、勧善懲悪の体裁をとっている。
主人公が圧倒的に正しく、その対となる人間は 劣った人間、馬鹿な人間として戯画的に描かれている。 その構成を見れば、女性の読者が秀美をヒーローとして崇めるのも当たり前だと考えられる。 客観的に見れば、高校生の一人称視点のなかで、 どこの女と寝た、誰が浮気した、ガリ勉が馬鹿みたいだった、TVでこんな話題があった と一見ありふれた話題が語られていく。 そのいずれもが他人の論理を批判し、嘲笑することに終始する。 まっとうな批判もあるので、それは良いとして、では彼の信じる論理はなにかというと 「女にモテるのが偉い」なんじゃそりゃ。 僕はこれは小説にする必要はなかったのではないかと考えている。 そこまで主張したいことがはっきりしているなら、文学ではなくエッセイに書けばいい。 「恋愛している奴のほうが偉いんだ。以上終わり」で済む。 星3つとしてそれなりに評価した理由は、作品の登場人物のなかにも なかなか筋の通ったまともな人間が登場するからである。彼らの表現は面白く、まーまー含蓄のある話をしてくれる。 (もちろん秀美ではなく、後に秀美にいぢめられて退場する『悪役』達のことだ) |
風味絶佳 (文春文庫) |
ズバリとした切り口、ハッキリした色。
これでこそ、山田詠美。AtoZからこっち、試験的に表現の上で何か試したいことがあるような山田詠美さん。 AtoZの時には、まだ不完全だったような印象を受けましたが、風味絶佳では抜群ですね。1つ1つのお話の最後がブツ切れのような状態になっていて、余韻と言うか、いい意味でも悪い意味でも、読み手に印象を残します。 |