モテる立ち話
会議は踊る【字幕版】(淀川長治 名作映画ベスト&ベスト) [VHS] |
列強の君主が戦後処理会議のために集まったオーストリアの帽子屋の娘とロシア皇帝の悲恋を描いた名作。シンプルでストレートな物語ですが、細やかな描写が光っています。主題歌「ただ一度だけ」は日本でもかなりヒットしたそうですので、お年寄りの中にはなつかしいと感じられる方もおられるのではないでしょうか? |
帝都ウィーンと列国会議―会議は踊る、されど進まず (講談社学術文庫) |
「会議は踊る。されど進まず」という言葉で知られるウィーン会議。
ナポレオン戦争後のヨーロッパ再編成について話し合われたこの会議では、ヨーロッパの覇者として存在感を示したいオーストリア、これを機会に発言権を強めたい新興国ロシア、プロイセン、生き残りをかけて必死に立ち回る小国、紛糾する各国の間を立ち回り、敗戦国としての立場を脱却したいフランスと、さまざまな思惑が展開し熾烈な駆け引きが展開された。 その一方で連日開かれる華やかな晩餐会に、ウィーンに集った王侯貴族に取り入ろうとする人々、会議の恩恵にあずかろうとする人々でウィーンはお祭り騒ぎとなった。 この本はそんなウィーン会議の狂騒振りをいきいきと描写し、華やかな外見とは裏腹に各国の背後に展開した権謀術数の数々も浮かび上がらせている。 紛糾し、誰もが終わりが見えなくなりつつあった会議を終結に導いたのが他ならぬナポレオンの再起であったというのはなんとも皮肉。 またオーストリア帝国に君臨した名門ハプスブルク家と帝都ウィーンの歴史にも触れられていて、この時斜陽に向かいつつあるハプスブルク家の命運に思いを馳せることもできる。 文章も軽快で時にユーモラス。読みやすい好著といえる。 |