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波止場だよ、お父つぁん




霧の波止場 [DVD]
映画黄金時代の傑作です。何といっても台詞が素晴らしく(脚本が詩人のジャック・プレヴェールだからでしょうね)、更にジャン・ギャバンが好いのです。江湖にお薦めします。

 

波止場 [DVD]
エリア・カザンの作品としては、やはり『欲望という名の電車』が一番素晴らしいが、それはマーロン・ブランドの魅力が最も現れているのがこの作品だからであろう。本作品では波止場のゴロツキ・テリー(ブランド)が改心(回心?)し、ギャングが支配する港湾労働者の差配組合を打破、労働者主権の労働組合を確立するであろうという希望を垣間見せるところで終わる。ラストシーン、波止場に浮き出た、ギャングどもの管理小屋から波止場へ上がってくる、いまや英雄となったテリーは、ゴルゴタの岡を登るイエスにも比すべき存在へと変わり、そのほかの多くの沖仲士たちは、「テリーを働かせない限り我々は働かない」という労働者唯一の武器「罷業」行動へと自然発生的に態度を変化させる。しかし罷業への転換は、決して自然発生的に起こったのではなく、彼等の意思として、そうしたのである。沖仲士たちは、決してゴロツキではない。エリア・カザンはそれを示そうとしている。イエスのゴルゴタへの道行きでは、イエスはゴロツキたち多くの民衆に罵詈雑言を浴びせられ、これまたゴロツキである弟子のペテロは3回も「俺はイエスなんて知らない」と叫んでしまう。カザンはペテロをも許し、ゴロツキどもも許す。
そして、今や最期のゴロツキとしてギャングたちだけが残され、沖仲士らにも無視されて取り残されることにことになるのだ。
しかし、今ゴロツキが大統領として居座り、そのゴロツキが世界を仕切る。ゴロツキが相手を「ゴロツキどもをやっつけろ」と連呼しているのだ。全ては「ビジネス」というゴロツキのみかじめのためである。そして、我々沖仲士は、そのゴロツキに阿諛追従し、真のゴロツキに堕落している。
本作品は今こそ観られるべきリアリティに溢れている。沖仲士の敗北の苦味を噛み締めるために。

 

人生解毒波止場
中学の頃に読んだものの内容に影響されそうで売り払ったような・・・
村崎百朗さんの著書共々親に捨てられたのか?
サイコパス?電波?さまざまな名で呼ばれる社会不適合者が次々登場。
やつらが恒星の如く弱く小さな周囲の星をひきつけ支配下に置くようすを御覧ください。リリーフランキーもそのような趣旨の発言をしてましたが。
斬新過ぎる本書の内容にいまや時代は完璧に追いついたような気もします。

つか、大学入ってからできた友人がこれ系の人をひきつける強力な磁場を作っているのが気がかりです・・・。


 

波止場日記―労働と思索
著者の哲学者としてのことばの中には暗誦したくなるような鋭いものもあれば、逆説的にとれて理解に自信のもてないものもある。それは私自身の歴史一般に対する無知に端を発しているからだったり、著者の考え方が既成観念、一般論を木っ端微塵にするほどラディカルだからであったりする。おかげでこの本はポストイットだらけになってしまった。だからこそ再読の愉しみもあるわけで、本棚でなくいつも手に届くところに置いておきたいと思う。
 ホッファーの労働者、哲学者としての二重の生活が読書の二重の愉しみとなっているところもユニークだ。毎日の生活の中で特にこれといった理由もなく楽観的になったり悲観的になったりする気持ちが愛しいほど率直に書かれている。彼は特定の雇用者の雇われているわけではなく、その日毎に貨物を下ろしたり、積んだりする船のために働いているため、一緒に働く面子も変わる。各々の仕事仲間の叙述が生き生きとしていて小説を読むような面白さがある。
 50年近く前に書かれ、この50年で世界は激動したのにホッファーの言説は古びれていないばかりか、今だからこそ、その重さが余計に感じられる部分も多い。たとえば旅行中の旅人同士が旅先では譲り合いのマナーをもっていることをひきあいにだして、世界中の人間が自分はよそから地球にきた「お客さん」と考えればもっと他者に対して相手の立場を尊重するようにふるまえるのではないかといってるところなど、世界の大地主、救世主といわんばかりにふるまうブッシュやトニーブレアに聞かせてやりたい。「自由」とうまくわたりあっていけないタイプの人間が力で他者を抑えてつけようとするというコメントには長年のくすぶっていた疑惑が晴れたような気持ちになった。

 

波止場 動画


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