寺島町奇譚 (ちくま文庫) |
滝田ゆうさんの名を一躍高めた名作ですね。自身の少年時代を少年キヨシに託し、活き活きと描かれる戦前の玉の井風景。キヨシの自宅であるスタンドバー、オッカナイお母さん、飼い猫のタマ、銘酒屋の娼婦たち、玄米パンやキビ団子売り、メンコやベーゴマ、蛍狩り・・・よくこれだけ記憶されていたものだと驚嘆させられる描写。飄々とした線、語り口、そして独特の効果音に意味深な吹き出しが、何とも言えないペーソスを醸し出しています。空襲で玉の井が燃えるラストの章は、震えるほど感動的でした。何度も読み返している、永遠の傑作です。 |
ぬけられますか 私漫画家 滝田ゆう |
「まえがき」で、著者が編集者時代の滝田さんからの原稿とりを回想します。
当時の「腹立たしい」までの「わずらわしさ」を、三十年経った現在では忘れてしまい……、と振れば、「今では懐かしい思い出である」と締めそうなところを、意外にも「悲哀感とでもいおうか、不思議な感情」がせり上がると形容しています。 つまりありきたりの「暖かい」だけの懐旧、回顧談とはちょっと違う、いまだに消化しきれない複雑な思いがにじんだような文章になっています。 滝田さんの生い立ち、家庭環境から、最盛期・晩年に至るまで、一種の精神分析まで含めてかなり立ち入って書かれており、人物論としてはかなり詳しい、類書のない作品ではないでしょうか。 時には家族以上に親密な(著者は滝田さんの葬儀の手配をご家族から任される程の仲でした)編集者でこそ書ける濃密な内容だと思いますし、著者自身もそのことの自負を文章の端々に感じさせています。 ときにその自負が若干あらわに過ぎると思えたり、また文章表現自体にも(「…は後にゆずるとして」、といった仕掛けが過剰な気がするなど…プロの編集者さんに素人が説法するのも汗顔の至りですが、妄言多謝)些かの不満はあるのですが、「滝田ゆうの人物」を詳しく知りたい読者には最適とも言える作品だと思います。 (反面、滝田さんの「人物」に興味がない方にはあまり有り難みはないかも知れません。) |
滝田ゆうに誘われて
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