欲望の翼
欲望の翼【字幕版】 [VHS] |
ストーリーはシリアスだが、南国の美しい風景と音楽で和んでしまう。 深夜の観賞にお勧め。 |
欲望の翼 [DVD] |
そそられる、、、。1960年を舞台に、香港のトップ・スターたちが織りなす運命の出逢いと別離、思慕、一瞬の夢、そして死。いわゆるドラマとしての起承転結が明快に提示されないにも拘らず、全編を漂う強靭なストイズムとスタイル、香り高さ、強烈な色気、そこはかとない陶酔と甘美な趣。ねっとりした色調に、ロー・アングル、ハイ・アングル、ステディカムと何でもありの縦横無尽なカメラワークに感嘆しながら、フィリピンの原生林をバックにゆったりと流れる、郷愁を誘うザビア・クガードのラテン・ナンバーの官能的な響が、いつまでも心に残って離れない。
ウォン・カーウァイ、日本でのブレークの記念すべき一作。正に、カルト・オブ・ザ・カルトと呼んで相応しい傑作だ。 |
欲望の翼 [DVD] |
王家衛監督作品としてというよりアジア映画として記念碑的な作品です。
実際、観客の目に映る物語の舞台は香港から途中でフィリピンに移動し、 また劇中人物の台詞や使用言語からマカオや上海などアジアの諸都市が連想されます。 更には、香港を代表する明星たちを起用したため、 どのキャストにもそれぞれこの人を主役にしたスピンオフも 見たいと思わせる魅力があります。 特に前半はマギーに片思いする警官、 後半は船乗りに転身しヨディに再会する役を演じたアンディ・ラウは、 破滅的な人生に半ば自己陶酔している主人公ヨディを一蹴するくだりで 主人公とほぼ等量の重みを持って観客に迫ってきます。 レスリー・チャン演ずる主人公ヨディは身勝手で残酷ゆえの悪魔的な魅力があり、 マギーやカリーナ・ラウが扮する女性たちやジャッキー扮する友人ばかりでなく 観客をも魅了します。 彼の語る「脚のない鳥」の話は彼自身の象徴であると同時に 聴き手をも掴みどころのない不安に陥れる魔力を備えており、 この作品では両性具有的なレスリーの雰囲気と 魔性的な役どころが一分の隙もなく邂逅しています。 しかし、その一方で観客の冷静な感慨としては、 ヨディの設定も台詞も物語的な装飾があまりにも過剰で気障っぽく 本当には共感し得ない感触を受けざるを得ないので、 アンディが演じた役はそうした観客の現実的な視点を代弁し、 「脚のない鳥」の生き方を相対化する役割も果たしています。 こうした視点を明確に入れている点に後続の作品にない清新さを感じました。 また、登場人物のモノローグで感情を説明する手法がこの映画では多用されており、 主人公の実母のモノローグまで入れたのは少し余計に感じましたが、 漂白していく主人公を巡る切ない視点を新たに明示したと考えれば了承できました。 「花様年華」「2046」へと続く王家衛映画の原点となる作品です。 |
香港電影的広東語―香港映画で学ぶ広東語 名作・名シーン・名セリフ集 [広東語/日本語対訳] |
学校で使っています。 初級の文法が終わった後、この本で会話を勉強するという学校が多いそうです。 とにかく早口の広東語なので、このように字で書いてあると、 早く身につきそうです。 |