開高健『経験・言葉・虚構』1/6
![]() 巨人と玩具 [VHS] |
高度経済成長、大量消費社会。あの浮ついた時代に増村が決別を告げる。 ここに象徴される「巨人」とは社会、「玩具」とは即ち我々である。我々「玩具」は社会「巨人」のスピードに飲まれその呪縛から逃れることはできない。しかしここにはどんなスピードにもブレることのないカメラ「視点」が存在する。ツバくらい吐きかけてやればいい、しかし卑屈になるな。あまりにも早すぎた作品である。 |
![]() 開高健~河は眠らない~ [DVD] |
開高先生の旅行記や釣り日記に相当する作品は、生前、NHKなどで
取り上げられていたし、死後に、Hi−Visionで取り上げられて もいた。しかし、正直言うと、どれも、散漫で、VTRやDVDに残し ておいたが、これぞというものが、なかった。 この作品は、開高先生の生き様を極めてコンパクトに取り上げて、実 に重い印象を与える(不快という意味ではなく)。 ただ、私の知る限り、他にも開高先生の映像はあるはずである。 何とか、これを上手く編集して、続編を出してほしいと思う。 改めて、見直したけれども、開高先生の映像はもっとあると思うのですね。 小説とビジュアルを上手く融合できないのでしょうか? 切に願います。 さらに、確認しましたが、開高先生の映像は、相当多数あるようです。作家画から・・・ではなく行動派知識人の活動として、さまざまな編集ができると思うのですが、そういう出版社は無いのでしょうか?(2007年6月28日再編集) |
![]() 輝ける闇 (新潮文庫) |
ほとんど文学作品は読まない私が読んでいる数少ない作家の一人。プラトーンを久しぶりに見たから惰性でこの本も読み返す。全然ジャンルも内容も違うけど、出だしを読み始めて「限りなく透明に近いブルー」を思い出す。言葉の言い回しなんかがふと似ているように思った。但し1ページ目だけですが。秋山駿が書いている後書きの解説に「これはたいした作品でない云々と三島由紀夫が言ったとか・・」と書かれていますが。こんな文章を見るにつけ、やっぱり俺は三島由紀夫なんかは読む気にならんなあと改めて思ってしまう。人生に対する美学が全く違うもんね。ただこの本は正直なんともいえない書物です。このあと段々と「オーパ」路線に行ったような気がするのは僕だけでしょうか? |
![]() ベトナム戦記 (朝日文庫) |
「ベトナム戦記」という本の存在だけは知っていたが、ようやく手にとって読んだ。
これは、開高健氏のベトナム従軍記です。いままで戦争に関する本はいくつか読んだが、「ナンバー・ワン」です。 ベトコン少年の公開処刑を書いた「ベトコン少年、暁に死す」の章から最前線に赴く後半の章は、臨場感があって、実際に開高氏と一緒にいるような妙な感覚になる。一流小説家である開高氏の文章の力だろう。 この本のなかで「ベトコン少年、暁に死す」の章は特に凄い。凄くて深い。「戦争」や「人間」の存在そのものの本質をわしづかみにするような迫力ある文章である。 たとえ、この章だけでも読む価値はある。 |
![]() 最後の晩餐 (光文社文庫) |
私は、酒飲みであるし、旨い店探したと友人に言われれば駆けつけるタイプである。それは、消して高級な店であることはめったにない。そこらにある少しおしゃれな店であったり、ええ、こんなキタネー所かよと言うようなところもある。
かつては、開高健氏には敵わないまでも大喰らいの大酒のみであった。 ただ、ややこしい事件で心身を酷使し、体を壊してから、酒は相変わらずいくらでも飲めるのだが、食が細ってしまった。かつては、昼食にカツどん大盛り・・なんていっていたのが、いまや盛りそばで充分になった。レーシングカートのための減量の問題もあるが、基本的に「大食漢」でなくなり、たくさんものが食べられなくなったように思う。 そんな中で、文字通り人を食ったような話を連発し、飲み食いし、そんなに句って大丈夫なの?戸思わせながら、歴史から、文明から、文学までも食いまくり喋り捲れるこの怪人には心底うらやましいという気持ちを抱く。 少なくともこの本を読んでいる限り、成人病が何だ、旨い食わずに長生きするなら、人生半分しか生きてないんだから、半分で終わっても元は取れるという気にはさせてくれる。 素敵だ。 |