ジェネラル・ルージュの大変 HD
チーム・バチスタの栄光 [DVD] |
原作の印象が強く、すでに映画化されている作品ということもあり、敢えてあまり期待せずに見始めました。犯人は原作と違うらしい・・・とのふれこみだったので、ためしに見てみようかなという程度で。何せ、田口医師も白鳥技官も原作とかなりイメージ違いましたし。
結果、大健闘だったのでは。番組最高視聴率で最終回を締めくくったのも、視聴者の評価の現れだったと思います。真相の解明(犯人の特定)の一点に向かって盛り上がっていく小説と異なり、連続ドラマらしい起伏・どんでん返し・物語のうねりが楽しめて、脚本の工夫が感じられました。田口役の伊藤くんはなんて地味なキャスティングなんだと不安だったけど(失礼)、不器用でまっすぐな医師を演じて好感がもて、こういう田口像も悪くなかったなと思いました。個人的には、看護師役の釈さんがツボでしたね(笑) 1クール十分楽しめました。原作読了・映画鑑賞済みでパスしたかた、ご覧になってみてはいかがでしょう。 |
ジェネラル・ルージュの凱旋(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫) |
チームバチスタを読んでおもしろく、
海堂作品を読み漁ってみたものの、 なかなか会心作に出会えなかったのですが、 この「ジェネラル」は実におもしろい! 実にユニークな登場人物の数々が織り成す、 病院を舞台にした人間ドラマ! ある意味ではチームバチスタ以上かも。 これが文庫本で読めるなら、 お値段的にも超おすすめです。 |
ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫) |
著者の海堂氏が世に伝えたい医療現場の悲鳴を本作に載せています。 病院の法人化により収益重視の経営に大きく舵取りを必要とせざるを 得なかった日本の現代の医療の現実を著者は本作に表したのではないでしょうか? 最近では良く耳にするようになった産婦人科医や小児科医の減少。 そして終末医療患者のたらい回し。 医療の未来を考えさせられる本作ですが、『田口、白鳥シリーズ』 ですので楽しく最後まで読めます! テンポ良く、展開良く、気分爽快に最後まで読めること間違いなしです。 個人的にはチームバチスタの栄光を読んでいた方が話しに入りやすいと思います。 |
螺鈿迷宮 上 (角川文庫) |
現実の医療業界の問題を内容に織り込む小説を書くこの著者は、ここでは「終末期医療」の問題を取り上げていますが、読者にただ単にその存在を認識させるだけでなく、その裏に潜む「闇」の根の深さを認識させられるような描かれ方をしています。
そのため、小説自体は上下通して比較的短時間で読み終わったものの、その「問題」の重さはしっかりと受けとめることができました。 また、ミステリーとしても、上巻から数々の「謎」を読者に提示し、「この先どうやって謎が明らかにされるんだろう」と読者を引き込む力がありますし、伏線の張り巡らし方もバランスがいいです。 現実の医療業界の問題点を、主軸をぶれさせることなくミステリーと融合させている、その完成度が今までで一番高いと感じます。 また、キャラクターの面からみると、『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』で、田口・白鳥コンビのやりとりの面白さを楽しんだ方々にとっては、こちらはそのコンビのやりとりはなく、田口自体、ほとんど出てこないため、いささかの寂しさを覚えるかもしれません。 しかし、その2作で名前は出ていた「氷姫」がついにここで登場します。切れ者なのか、天然なのかわからないそのキャラクターは、田口、白鳥にはない不思議な存在感。一読の価値ありです。 |