神様、仏様、稲尾様―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) |
これは、伝説の「鉄腕」稲尾和久氏の自叙伝(日経新聞のシリーズ「私の履歴書」)
というカタチを借りた、昭和30年代の熱きニホンの記録だと思います。 プロ野球、野武士軍団西鉄ライオンズで数々の「クレージー」な記録を打ち立てた 鉄腕投手が、九州の漁村から、何も判らず福岡に出、豪快で個性的な同僚、ライバルと 切磋琢磨していく姿、そしてそれを取り囲む世情、ファン、昭和の熱気・・・朴訥とした 筆致の中でも伝わる「熱いもの」を、今正に自分自身が失っている、と感じさせられ ました。 元気をなくした人、ちょっと悩んでいる人、そんな人にも元気と熱い心を持たせて くれる・・・それに、小賢しい人生訓も何もないので、読み易い本ではないでしょうか。 |
鉄腕伝説 稲尾和久―西鉄ライオンズと昭和 |
僕の中学時代は、野球一色だった。部活は野球部で、帰宅してからは毎日ラジオで野球の実況を聞いていた。当時の西鉄は弱く、やがて太平洋クラブ・ライオンズからクラウンライター・ライオンズと名前が変わったが、一向に強くなる気配はなかった。
でもその西鉄にも、黄金時代があった。その立役者が、豊田や中西、そして稲尾などの野武士軍団。 西鉄が奇跡の逆転優勝で日本シリーズを制したのは、昭和33年。僕が、一歳の時だった。その強さを信じて、毎日近くの平和台に通っていたのは小学校の頃だった。伝説となった西鉄の黄金時代の物語が、この本には詳細に記されている。 稲尾和久の英雄譚を振り返るもよし、当時の西鉄の記録を確認する資料としても最適です。英雄を待望して、英雄たちが活躍した時代を振り返ることができます。 |