自虐の詩 プレミアム・エディション [DVD] |
本作は堤組らしいスピード感にあふれる一作だ。ちゃぶ大返しのシーンもVFXを駆使して、迫力満点。このシーンが一番コストが掛かっていそうである(笑)。しかし、作品としては幸江(中谷美紀好演)の現在と過去が全編にわたって行ったり来たりするため、どうも落ち着きに欠けるのだ。前半のちゃぶ台返し連発!くらいの速度で過去から未来へ突っ走って欲しかったなあ。要はホンが弱いのかと思い、脚本クレジットを見ると、ここまであまり映画脚本は当たっていない関えり香が担当している。それはよいのだが、もうひとりの「里中静流」って誰のことだ?堤組の「恋愛寫真」で広末が演じた役名、または同原作の「ただ君を愛してる」で宮崎あおいが演じた役名なので、ペンネームであることは明白だ。ハリウッドのアラン・スミシーじゃあるまいし、こういう「おふざけ」はやめた方がよいと思うのだが。特に、こういう中途半端な脚本ではなおさらである。堤監督のペンネームかな、とも思うが、それなら岩井俊二の網野酸のほうがネーミングセンスがあるかも(笑)。星3つ。 |
歌謡曲だよ、人生は [DVD] |
個人的に気に入った作品のコメントを少々。
オープニング『ダンシング・セブンティーン』 阿波踊り会場の、群舞する人々をとらえた映像をバックに流れる(セリフなし)。どうやら、徳島県のそれではなく、東京・高円寺の阿波踊りを映しているようです。阿波踊りの躍動感!! 第三話『小指の想い出』 大杉漣が出てきた時点からの怪しい雰囲気がいい。で、やっぱりね。(笑) 第五話『女のみち』 コントですね。ある意味潔く解り易い一篇。少年がこの状況に巻き込まれていく心理と、クライマックスの流れをもうちょっとインパクトたっぷりに描けていればもっと記憶に留まったと思うのだが。ラストの落ちは良かった。 第七話『いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー』 こいつは、すごい!! 蛭子さんは、映画を撮っても蛭子さんだった。不条理さの爆発ぶり、シュールにも程がある。虐められて裸に剥かれたヒロインのポーズに、クライマックスで意味もなく公園で会議をしている人々の姿、何よりも全然行動理念が理解出来ない主人公の凄まじさ。 踊りも可笑しいし、武田真治が終始愉しそうだったのが印象的。 第九話『逢いたくて逢いたくて』 さすが矢口史靖監督、コメディとして計算し尽くした脚本の緊密さ。怪しくも最後には優しいテイストが全編を貫いており、短編映画としても密室劇を中心とすることで無理なくストーリーを作りあげ、主題となる歌謡曲をきちんとオチで活かし、映像的(スローモーションカット好きだね)にもパーフェクト!! 第十話『みんな夢の中』 高橋惠子、烏丸せつこ、松金よね子、本田博太郎、等々、(皆が同い年とは思えませんが...)ベテラン俳優陣が集まっててスゴい。 流れは定番であり、あざとさもありますが、映像的な伏線を張り巡らし、構成も洗練されているので、好印象の一遍と成りえた。「年を重ねるだけでは、人は老いません」というセリフが印象的でした。 エンディング『東京ラプソディ』 台詞をいっさい使わず最初から最後まで歌を流し続け、字幕を表示させた作りはもう完璧にカラオケの作り。このオムニバスはもともと“歌える映画”を意図して企画されたとのことですが、最後の最後でその趣旨を全うした趣ですね。これはこれで面白く、あっというまに観ることができた。 オマケの感想 予告編で使われた「二人の銀座」をモチーフにもう1本あってもよかった??? |
蛭子能収コレクション (地獄編) |
蛭子さんの漫画が読んでみたくなったので購入して読んだのですが、ひとつひとつの話しの意味のなさにびっくりです!でも話の無意味さが逆におもしろく快感だったりしますww |
こんなオレでも働けた (講談社BIZ) |
蛭子さんが実は所属する営業所でナンバーワンの売り上げを誇るダスキンマンだったというのが意外で読んでみた。著者によるとお客を増やすコツはとにかく誠実に、その商品の良さをアピールすることだと。「安いし、簡単に掃除できますよ」とニッコリ笑ってトークする。ドアを開けてくれたら50%成功したようなものだから、最初のひと声が肝心で、相手に警戒心を持たせず、こちらの話をきいてもらうきっかけを作ることが大切。だから、どこかの奥さんらしき人が外にいたら、すぐに声をかけた。これなら玄関を開けてもらう必要がないし、密閉空間ではないから相手も安心するからだと。
著者は家族を養うために働いていたが、漫画家への夢を忘れられず、仕事の合間に書いていた漫画が認められて連載の仕事が決まり、それを機に仕事を辞めてプロの漫画家を目指す。競艇好きでテキトーに生きているように思われる著者だが、借金は絶対にしないなど、その生き方は意外と真面目で堅実だったのだ。 |
へんないいわけ事件簿 |
大企業も老舗企業も誤る機会の多い昨今、個人もそうだが急な謝罪は心がこもり過ぎてか、誤る気が無いからか変なコメントが数多い、そんなものを一冊にまとめちゃった一冊。なかには同情できるものもありますが、多くはその場しのぎであとから言った本人も赤面してしまうものばかり、他人の不幸と焦りを楽しみましょう。 |