ZUCCa 20th ANNIVERSARY ISSUE [e-MOOK] (e-MOOK) |
表紙のイラストにもなっているキティちゃんの誌上限定Tシャツ狙いで買いました。
応募者多数の場合、抽選ということなんだけど、当たるかな??? 付録のバッグは、意外にモノがいっぱい入って、加工がしてあるから雨の日にも持てて便利。 内容的にも小野塚さんのロングインタビューがあったりとZUCCaファンとしては大満足の一冊です。 |
生きた貨幣 |
著者は他の著作で、言語秩序に対する身体の過剰を論じているが、ここでは貨幣秩序に対するそれが主題となる。真の下部構造としての諸衝動の運動。経済的規範は、芸術や道徳、宗教同様、その副次構造にすぎない。 生きた貨幣とは、支払いの手段となった、生きた人間。男には女で支払われ、女には男で支払われる。マルクス的観点では、貨幣や商品は物神性(フェティシズム)を帯びている。生きた貨幣は、エロティックな意味でのフェティシズムを帯びているわけだ。 マルクスの言うように「人の人に対する関係は、男の女に対する関係に表れる」のならば、生きた貨幣としての女とは何か。妻、恋人、娼婦、母、娘、こうした市民社会の身分に配分されない女であり、ドゥルーズが言う「チェス盤上の空いた目」にして「置く目の無い駒」、そうした逆説的要素だろう。 貨幣で肉体を売買する代わりに、‘肉体で’売買する世界。しかし売買される物が貨幣価値を帯びていれば、結局その実体は貨幣による肉体の売買だろう。つまり、生きた貨幣による経済は、普遍的な貨幣価値という概念そのものの崩壊を要請する。もしそれが実現した時、何が交換されるのかと言えば、それは情欲の他にはありえない。その時、産業社会の中で富の追求に費やされていた情欲は、それ自身が富となるのだ。 |