A brief history of US foreign policy & military agression
![]() ボウリング・フォー・コロンバイン【日本語吹替版】 [VHS] |
ドキュメンタリーとはいえ、そこには構成等の演出が必ず出てくるのですが、やはり生の人間の言葉は、脚本のそれとは雲泥の差のリアリティーを持って迫ってきます。 ただ面倒なだけの政治的な話は置いて、一市民のスタンスからアメリカの銃社会に対する「何かがおかしい」という疑問を追及しようとしているので分かり易く、共感もし易いかと。 アメリカの抱える病理を浮き彫りにした(答えは多分、当分見つからない)作品ですが、アメリカだけの問題じゃない点も多く見受けられ、考えさせられる人も多いのではないでしょうか。 |
![]() ボウリング・フォー・コロンバイン【字幕版】 [VHS] |
ユーモアを織り交ぜたマイケル・ムーアの取材・構成方法は、ドキュメンタリーとエンターテインメントを両立させる要素である。巧みなユーモアとアプローチで、説得力をもたせる語り口は、絶賛に値する所以といえるだろう。プロモーション然りのコメントしか書けないのは情けないが、珍しく率直にメディア評を受け取ることができそうな快作だ。どこかの犬首相への反発を促す意味でも、多くの人に観て欲しい。 |
![]() ボウリング・フォー・コロンバイン [DVD] |
貧困、人種の多様さや銃の普及率は他国と同様でも、銃による
殺人事件数がなぜが突出している米国。その謎に鋭く迫った ドキュメンタリー作品。 建前では「自由と安全」などと謳いつつ、実態は、武器の製造 販売を主業とする軍需産業、その軍需産業主導で大量の票を もらう政治家、犯罪を殊更に派手にとりあげ、不安をあおること で視聴率を稼ぐメディアという、米国「支配層」の、言わば 「偽善の連鎖」が問題の本質にあることがよく伝わってくる。 米国のこういった「建前と本音の使い分け」は、第二次世界 大戦中の日本への原爆投下など、歴史的にみても枚挙に暇が ないが、ここでもまた同じ構図となっている。 戦時中の日本、現在のイラクなど、外国に対してのみならず、 自国に対しても同じ偽善を展開する米国。米国の影の部分の 恐ろしさを改めて感じさせる作品でした。 気楽に楽しめる内容ではありませんが、そういった米国の問題 を見聞したい方にはお薦めします。 |
![]() ボウリング・フォー・コロンバイン マイケル・ムーア アポなしBOX [DVD] |
コロラド州コロンバイン高校における銃乱射事件。銃社会アメリカを根底から揺さぶる大事件を題材に、<進め電波中年>マイケル・ムーアがアメリカ銃社会の矛盾をするどくえぐっている。国民皆保険制度がコミュニズムの温床であると保守勢力が真顔で恐れる様が、最近公開された『SICKO』でこっけいに描かれていたが、まさにアメリカを銃社会に突き動かしている要因もまた、TVニュースが垂れ流す<恐怖>であることをムーアは指摘する。
考えてみれば、太めの女性がやせるためにビリーズブートキャンプで汗を流し、薄毛の男性がリーヴ21にこっそり通うのも、つきつめれば<恐怖>が行動原因となっているような気がする。偏見にみちた差別報道によって悪魔化された黒人から身を守るため、アメリカ人は銃をもたなければいけない気にさせられているというのだ。劇中登場する統計数値には信憑性を欠くものの、それを差し引いてもアメリカ人の銃依存度はかなりSICKO(病気)である。 『ダイハード4.0』に登場したハッカー小僧が、TVコマーシャルによって植え付けられる脅迫観念の話をしてブルース・ウィルスにあっさり流されていたが、為政者の都合のいいように人心操作するマスコミの悪だくみは、以前に比べてより狡猾により深く潜行して行われているような気がする。映画を撮る以上、そこには必ず監督の意図的な情報操作が存在するが、一見ドキュメンタリーのように思えるマイケル・ムーアの作品は、観客の情報操作に対するアレルギーを緩和するという意味では非常に効果的である。 『SICKO』の次回作では、是非マスコミの情報操作にメスを入れてほしい。たとえそれが自分の首を絞める結果になったとしても。 |