それいぬ―正しい乙女になるために (文春文庫PLUS) |
作家を語るのには的はずれな言葉かもしれないが、この人は頭がよすぎる。本書は「乙女が乙女たるゆえん」を説明したエッセイだが、この人は乙女のファクターをひとつひとつ紐解いていき、通常なら説明困難なそれらのことを詳細に砕いて論ずるのである。“乙女とその思考の関係性”とでも言うような形而上学的なこと(乙女の道徳の在り方…「美しき道徳」より/なぜ乙女は努力より根性を選ばねばならないのか…「努力と根性」より/絶対差別の称讃性…「皇室礼讃」より/乙女がホモセクシャルに憧れる理由…「乙女と性欲」より/乙女にとっての死とは…「博物館とお葬式」より、等)も、彼にかかれば明快なものである。無粋なこと、そうでないことを理解し嗅ぎ分けられるようになるには、本書を読めばよい。
ちなみに、それら形而上学的な論の中で、非常に納得し、感嘆させられたのは「エ○メスは悪趣味。蹄鉄柄なんて、パンクスでもあるまいし」といった項(「元旦の君は髑髏の大振袖」)や、「元々制服とは生徒を格好悪く見せようと作られたものなのだから、学生時代はダサい格好を極めるべし」といった項(「春の初めの乙女のコートは」)など。すげぇ。「皇室は絶対的存在。開かれた皇室なんて必要ない」と言い切ったのには、いやー、参った参った。 |
下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん (小学館文庫) |
2005年に読んだ小説の中で、今のところ、ベスト本。
文章の運びが軽妙で、一気に読ませるリズム感がある。インパクトのある言葉選びがものすごく成功して、人生読本としてもユーモア小説としても青春(?)小説としても大成功している。 実在の地名・商品名等を散りばめているのもイメージを膨らます楽しみを増やしている。 重箱の隅をつつくような薀蓄の多さと広さにも、満足。 映画を見てから原作本を読んだ人には、その薀蓄がじれったいかもしれないが。 ただ、副題に「ヤンキーちゃんとロリータちゃん」とつけるように、文面からもふとしたところで泥臭い表現が顔を出す。それがいいと言えばそうも言えるかもしれないけど、乙女・野ばらちゃんの粘着性を我慢できるかどうかは評価が分かれるところでしょう。 |
下妻物語 スタンダード・エディション [DVD] |
やはりこの監督の作り出す世界はいいですよ。
笑いの中にもほろりとする世界ですね。 とにかく元気です、最初から最後までみんな元気です。 ファッションもおしゃれだし?かわいい世界です。 実話?と思うような、妄想?のような感じです。 とにかく面白いですよ。 ロリのはまり役恭子ちゃんと不良のはまり役アンナちゃんの絶妙な駆け引きと会話が最高!です 2回は見てしまいましたね。 飽きないです。 正反対な人間がいつの間にか友情と信頼にお互いが惹かれあい、頼っていく姿が良く表現できていると思いました。 監督、又映画作って下さい、楽しみに待っています |
下妻物語 スペシャル・エディション 〈2枚組〉 [DVD] |
のっけからのめくるめく展開は虜になる危険性大。
裏腹にある深田恭子の淡々とした様とも絶妙にシンクロしている。 土屋アンナ扮するヤンキー娘もこれまたしっくり。 このちぐはぐな2人が織成す絶妙なハーモニーは、"ハイパー青春コメディ"たる所以だなと納得です。 そして何より忘れてはならないのが、サブカルチャー・ローカルカラーへの皮肉っぷり… 凄まじくお見事。 但し、一作品という観点から見ると、前半から飛ばしていただけに後半の失速感は否めません。 ですが滑稽なのは事実。極度のパワーを体感すればええやん! |
世界の終わりという名の雑貨店 [DVD] |
この映画の雰囲気・進行具合、とても好きです。演技の良し悪しは抜きにして。色のコントラストやセリフの少なさ、BGMがたまに流れるピアノだけというのも個人的に凄く気に入りました。劇中で高橋マリ子さんが着ているヴィヴィアンの服も話の雰囲気によく合ってました。それから西島さんがいつもダークトーンの服を着てるのも役柄に合ってて良かったですね。探偵役と高橋マリ子さんのシーンはなんか安っぽい感じで少しテンション下がりました。 |