荊冠の志操―西岡智が語る部落解放運動私記 |
部落解放同盟の活動家の多数が、ソビエト派で、都市下層民の労働運動にそって問題を立てていたのに対し、著者を代表とする中国派は、部落の資本家と労働者の統一を基本として、拠点づくり・共同体づくりを志向していました。その思想は、地元である矢田(大阪市東住吉区)のまちづくりの運動として、典型的に結実しているのだろうと思います。著者は現在、大和川流域の自然再生など、大衆の利益を追求する信念は揺るがないまま、新しい時代における運動のあり方を模索し、挑戦し続けておられます。私は、著者に共感して運動を進めてきた方たちの中から、社会起業を実践する人々が多く生まれ、活躍されることを、願っています。
著者が、07年に就任した高知県東洋町の沢山町長に対して、「愛弟子感」として大きな期待を寄せているのがわかります。著者の志しているものが、凝縮されており、とても感動します。 章構成・・・生い立ち/初期の運動体験/矢田教育差別事件/部落解放中国研究会の結成/松本冶一郎から学んだことなど/狭山闘争中央本部事務局長として/荊冠と銀のしずく/闘いの中で出会った人/「西岡・駒井意見書」と今日の不祥事/解放運動再生への提言 |
セアロの道―ガユーナ・セアロ 人の道の教え |
セアロがどのようにして出家したのか、出家後の暮らしの様子、著者らが体験したミャンマーでの不思議な出来事、セアロの他の本から中々見る事の出来ない内容が綴ってある。
全体的にはセアロからの教え:著者の質問を通しての私たちへの気付き:ちょっとした宗教的な解説、という所だ。 セアロについての本は「私は私」(講和会の内容をまとめた本) 「108の言葉」(セアロの格言集と言うか、読む事により気付きを受ける本)もある。セアロを良く知らない方は、ホームページや、この2つの著書を見てみると 良いかも知れない。その上で本書を読むとより楽しめるのではないか?と思う。 セアロという人物は、臙色の袈裟をまとった坊主。ミャンマーで得度した日本人僧侶である。各地で講和をしているが、中々「坊主」とは言い難い。 講和の内容も愉快で面白く、「宗教は嫌いだ。」「タバコは止められないね〜。」 なんて笑いの中で私たちに気付きを与え、個人の自立を支援するタイプの方だ。 不思議な魅力を持つ、素晴らしい方で私はセアロが大好きだ。 NPO法人も設立し、世界各地の貧困地の自立の為の支援を行なっている。 コチラのHPも覗いてみると良いかも知れない。 |